高血圧と腎臓

年齢や生活習慣とは全く関係がなく、減塩や食事制限、運動療法、薬物療法などどんな治療法でも効果がなく、突然血圧が上昇する『謎の高血圧』と呼ばれる高血圧があるのをご存知でしょうか。

 この謎の高血圧は普通の高血圧と比べ脳卒中の危険度が4倍以上高く、患者数は最大400万人と言われているとても危険な高血圧なのです。

 また、普通の高血圧と症状などは変わらないのに治療法が異なるため、一生懸命塩分の量に気を付けても、生活習慣を改善しても、降圧薬を服用しても全く意味がないという恐ろしさを持っています。

 謎の高血圧を引き起こす原因は、副腎という腎臓の上にある3pほどの臓器であり、その副腎が分泌する『アルドステロン』と呼ばれるホルモンが、副腎にできた数ミリの腫瘍から過剰に分泌されることで高血圧になってしまうということがわかっています。

 しかし副腎に腫瘍ができる原因は未だにわかっておりません。そして、この謎の高血圧は『原発性アルドステロン症』と呼ばれています。

 原発性アルドステロン症は血液検査で早期発見することができます。そして、原発性アルドステロン症の治療法は、腹腔鏡下副腎摘出手術という手術で腫瘍のできた副腎を摘出します。費用は3割負担で約20万円、入院日数は5〜7日ほどとなっております。

 副腎は腎臓と同様2つあり、片方摘出しても問題はありませんが、もし2つの副腎に腫瘍ができてしまった場合はアルドステロン拮抗薬によってホルモンの働きを抑制します。